オタク

美男美女がオタクアピールをしていると反吐が出る。

おどれらあんだけわしをこきおろしとったやろがしばきたおすぞくそぼけ、と声を荒げたくなる。みてくれの悪いお前の単なるルサンチマンなだけじゃないかと言われれば反論できねえが。

実際のところはよくわからんが、現在の若年層(それどころか中高年共もか?)はオタク趣味を容易にひけらかしているように見受けられる。「オタク文化」とかいう気色悪い言葉が日本で徐々に受け入れられていった結果なんだろうが。
あるいはオタクにすり寄ればカネになることに気づいたからか?可能性としてはこっちのほうがありそうだ。

昔はオタクを自称するなんてこと絶対にできなかった。自称だろうが他称だろうが一度「オタク」というレッテルを貼られたら、社会的に死ぬまで迫害される。
誰にも迷惑をかけていないというのに、その見下されようやリンチ度合いは魔女狩りの様相を呈していた。ひでえもんだった。

周囲にオタクとバレたらいっかんの終わりということを学んだ哀れな者たちは、隠れキリシタンとなった。逃げ道はどこか?もちろんネットだ。個人情報を垂れ流すとかいう失態を犯さない限り、異端審問の魔の手から逃れつつオタク談義に花を咲かせることができる。オタクはできるだけ目立たぬよう陰でコソコソ生きるようになった。

にっくき美男美女たちも、もしかしたら隠れキリシタンだったのかもしれない。かつては迫害する側にも加担していたのが、時代の流れを期に「ありのままのじぶん」とかいうやつを開示しだしただけかもしれない。それはそれで彼らの要領の良さにブチギレそうになるが。

こうした経験があるからか、おれは未だにオタク趣味、というか自己の内面を他者にひけらかし合うという文化に馴染むことができないでいる。それはネットでも現実でも変わらない。他者をいまいち信用できない。
結果として、オタクコミュニティからすらも締め出されたというわけだ。ネット上のコミュニティはというと、そんなものは流動的すぎてすぐに霧散する。ネットなんて所詮ネットだしな。物理的存在の人間として生きざるを得ない以上、現実のコミュニティの安定性には遠く及ばない。

おれにできるのは、こうして内面をネット上で一方的に匿名で喚き立てることだけ。

オタク趣味なぞ公共の場で楽しむもんじゃない。人目に入らぬようオタクは陰で生きるべし。ひどく差別的な文章だと書いてる自分でも思うが、こうした観念からはしばらく逃れられそうにない。
ともかく、自分の生まれ育った環境に根ざしまくっている歪な考えを吠えたり、過去と現在を比較してウダウダ文句をたらしたりしているのは、おれも順調に立派な老害へと育っているという証なのだろう。