勝手にレビュー31:B'zの15thアルバム『MONSTER』
(cons ‘inaba ‘matsumoto)
B’z『MONSTER』2006年6月28日
1. ALL-OUT ATTACK 3 / 5 点
疾走感の強いロック。まあB’zアルバムの一曲目といえば、ってな感じ。
青臭い歌詞が良い。
いつかあの人の心も離れ お気の毒 自業自得
2. SPLASH! 4 / 5 点
ダンスビート+ハードロック。
B’z史上最大級のエロソング。といっても、あまり下品な印象は受けない。
セックスに哲学をムリやり絡めて力技で小難しい感じにしたような歌詞には爆笑できる。「アダムとイヴが空から舞い降りる」って、なんなんだ。
これこそが僕らのBig Bang(生まれる宇宙) もれるため息は尊いChant(神々のSong)
3. ゆるぎないものひとつ 4 / 5 点
ロック・バラード。
『名探偵コナン 探偵達の鎮魂歌』の主題歌。
歌詞のテーマは、生きがいについて。稲葉のヒューマニズムが冴え渡っている優しい作品。
この曲、わりと不評が目立つが、みんなそれほど人生において打ち負かされた経験をしていないのだろうか。それともB’zファンの多くは他人の尊厳をたやすく踏み躙る野蛮人種が多いので、この曲に共感できないのか。
絶望の真ん中を見つめましょう 命の証が欲しいなら
4. 恋のサマーセッション 3 / 5 点
レゲエ。またわけわからん曲名を次から次へと。
歌詞は言及するほどのものではないが、メロディが程よくチャラくて良い。
学べや恋の夏期講習
5. ケムリの世界 2 / 5 点
責任の押し付け合いを「ケムリの世界」と表現する。
コミカルな社会風刺が見ものではあるが、全体的なメロディ構成はもうちょっとなんとかして欲しかった。やっつけ仕事感が否めない。
歪んでる社会ですって気づいてみたけど この社会=ボクたち!!
6. 衝動 〜MONSTER MIX〜 3 / 5 点
ご存知、名探偵コナンのOP曲。
シングル版よりコーラスの反響が効いており、こちらの方が好み。
真実ばかり追いかけて揺れ動くeveryday 強がる自分の中身もまるっきり謎だらけ
7. 無言のPromise 2 / 5 点
ロック+ストリングス。バラード。
和の要素と、途中のカタログ語による語りのおかげで、なんともオリエンタルな雰囲気。
稲葉の鶏声が完全にマイナス方向に作用している。
遠き日々想い胸はつまるけど 何も変わらない
8. MONSTER 2 / 5 点
ハードロック+ストリングス。
暴力的な開幕にウキウキしていると、サビで盛大な肩透かしを食らう曲。
歌詞はコミカルとグロと王道が混じって、カオスな感じで良いのだが。
どんなに遠くに逃げていってもついてくる みんなで仲良く灰になるまで
9. ネテモサメテモ 4 / 5 点
若干チャラいブルースじみたロック。
『京四郎』という漫画を読んでいたのだが、「もしアニメ化されたらこの曲がタイアップにふさわしい」なんて妄想をしていたことを思い出す。
ラスサビ直前の稲葉の息継ぎがエロい。
正義と悪が支えあうような そんな形のこの星で ちゃんと目を開けて見きわめヨロシクね
10. Happy Birthday 1 / 5 点
読んで字のごとく、誕生日ソング。
耳障りなイントロが鬱陶しい。歌詞もとくにひねりなし。
っていうか稲葉よ、無理してテンションあげてない?お前ぜったい誕生日に騒ぐような人間ちゃうやろ。
11. ピエロ 4 / 5 点
略奪愛曲。ドライブソング。
チャラい歌詞だが、ストレートにかっこいい曲。
なにげに情景描写がめちゃくちゃグロテスクで美しい。
この広い世界の中 2人しかいないような 寂しさかみしめ胸かきむしる
12. 雨だれぶるーず 3 / 5 点
演歌+レッド・ツェッペリン。
今作最大の問題作。完全に暴走している歌詞と遊びまくってるメロディが絡まり、すごいことになっている。男が愛を求めて見苦しく足掻く姿は爆笑もの。
見逃せない欠点はギター。全然セクシーじゃない。蝿が耳の近くでブンブン飛び回っているかのような音色。これは松本の演奏が悪いわけではなく、機材の問題だろう。非常にもったいない。この時のB’zは耳がイかれていたのか?
あるのかないのか誰も知らない大量破壊兵器めざして 無礼に乱暴につきすすむようだよ
13. 明日また陽が昇るなら 4 / 5 点
卒業ソング。ライブがテーマでもあるらしい。
メロディも歌詞も泥臭くて、大変よろしい。夕焼けが目に浮かび上がってくる。
燃える砂を踏みしめて まるでバカみたいに叫びたい
14. OCEAN 〜2006 MIX〜 3 / 5 点
ご存知、『海猿』の主題歌。って、今は2018年だから、もうそれほど有名でもないのか。
『衝動』と同じく、シングル版より音が良くなっている。
王道中の王道バラード。とくに文句ありまへん。
どこにも逃げないで 同じ空を見よう
総評 : 2 / 5 点
B’zにしては微妙な曲が多い。そんなアルバム。
「赤盤はレビューしないのか」だって?なんのことやらさっぱりですな。