勝手にレビュー8 : B'zの5thアルバム『IN THE LIFE』

今作からバックの演奏がより豪華絢爛になります。また、稲葉の歌詞が以前までの「子供が背伸びしたかのような作られた大人っぽさ」ではなく「本物の大人の喜怒哀楽」を帯びてきます。

B’z『IN THE LIFE』1991年11月27日


1. Wonderful Opportunity 4 / 5 点

やたらポジティヴで軟派な曲だと認知されがちですが、人間の愚かさをしっかり歌詞に盛り込んでいるあたりが稲葉らしいです。
サビは今までにない怒涛の韻の踏みよう。「イヤな問題 大損害 避けて通る人生なら論外 生きてるからしょうがない シンパイナイモンダイナイナイナイザッツライフイッツオーライ」。以前までも散見されましたが、これ以降の稲葉は「ai」で韻を踏むのを好むようになります。


2. TONIGHT(Is The Night) 5 / 5 点

色気ムンムンな曲。曲の始めから終わりまで、美しくない部分が一切ない。現在の稲葉にこの曲を歌うのは不可能では?と思ってしまいがちですが、とんでもない。年老いてなおエロい。


3. 『快楽の部屋』 3 / 5 点

ライブの時の高揚感を歌っている。が、一回聴いただけではふしだらな曲に捉えてしまうよう、わざと歌詞をエッチな感じにボカしている。


4. 憂いのGYPSY 4 / 5 点

昔はそんなに好きじゃなかったけど、改めて聴くと良い曲だ~~(パクリだから?)~~。
ダメ男が愛を知り、綺麗事を一切繕わずに想いを相手に捧げるという歌。

小さな鞄を抱え込んで これからどこにたどりつくのだろう

どんな景色も君と見たいから 明日は僕と一緒に旅立とう

普通の歌詞なのになぜかジーンとくる。


5. Crazy Rendezvous 5 / 5 点

真夜中に恋人を叩き起こして高速道路に連れ去る、おちゃらけ誘拐ソング。好きなんだったらしょうがない。スピード出てたらしょうがない。殴られてもしょうがない。


6. もう一度キスしたかった 4 / 5 点

代表曲。想い人との別離。
「ふりかえるあなたを抱き寄せて もう一度キスしたかった」の状況が毎回異なっているのが天才的。


7. WILD LIFE 4 / 5 点

アップテンポ。「やりたいようにやれ、なりたいようになれ」と勇気付けてくる。

最新情報に目を奪われ 毎日過ぎるけど 胸が疼いてしまう君が相手じゃ どんな飾りもしぼんじゃう

このあたりの歌詞は、恋人だけでなく、自分が何か熱中できるものに出会ったときの感情を表現している。


8. それでも君には戻れない 5 / 5 点

疾走感あるメロディをバックに、恋人に捨てられた男の後悔を綴る。
「自分だけが忙しいと勘違いしてる人に いつまでも合わせられないと テーブルに鍵が横たわる」の部分はやはり天才。
サビがとてつもなく泣けてくる。「いなくなった君が 華やかな影になり 愛しさを増してゆく 疲れた僕の中で」って、非モテの心を抉ってくるのやめません?


9. あいかわらずなボクら 5 / 5 点

稲葉とゆかいな仲間たちが童心に帰ってみた歌。短いけど、それがかえって儚さを生み出してる。
関係ないけど、ゲーム実況者グループの幕末志士にすごく似合うんじゃない?メインがちょうど二人組だし。誰かMAD作ってください。


10. ALONE 5 / 5 点

王道バラード枠。とくに表記はないが、シングル版と違って入りがサビの一部からスタート。
歌詞が若干『世界にひとつだけの花』の元ネタっぽい。アウトロが痺れる。


総評 : 5 / 5 点

まさかの捨て曲ゼロ(強いて挙げれば3曲目か?)。確か売り上げも半端なかったはず。それなのに、同じ路線を繰り返さないのがB’zらしい。次作はより渋く、生音重視の作りになる。
それにしても、好きな曲のレビューほど感想をどう書いていいのかさっぱり思いつかないし、文章を長くしようとすれば空回りしてネタっぽくなる(しかも面白くない)のはどうしたらいいのでしょう。歌詞のコピペも目立ってきたし。嫌いなものほどそれに対して饒舌になってる気がする。それってただのクレーマーやん。