勝手にレビュー6 : B'zの4thアルバム『RISKY』
前回の記事にも書いた通り、B’zは今作から従来のデジタルサウンド路線を抜け出し、イケイケロッケンロールな方角へと舵を切っていくことになります。
B’z『RISKY』1990年11月7日
1. RISKY 1 / 5 点
アルバム全体のOP。すぐ終わるので評価はとくになし。
ネット界隈ではこの曲に関するオカルトが一時期流行ってましたが、耳が悪く霊感も皆無な僕にはどういうことかさっぱりでした。
2. GIMME YOUR LOVE 〜不屈のLOVE DRIVER〜 5 / 5 点
年上の彼女に完全にナメられてるヘタレな男が主人公。情けなさMAXです。
とうとう管楽器をサウンドに取り入れてきました。「二人ガードレールと CRUSHしても なんかおまえだけ助かりそう…」などの爆笑ものな歌詞に共感できたら、あなたはダメ人間であることが必然的に証明されます。もちろん、僕もそのうちの一人です。
3. HOT FASHION 〜流行過多〜 5 / 5 点
やたらノリノリのはっちゃけたダンス・ロックな曲(アホ丸出しな文章ですね)。
「最先端の話題は 地球と自由と革命のカラミ」、「何でもすぐ古くなる人種 どこかの虐殺への怒りさえおいてきぼりだよ」などの歌詞からは冷戦末期当時の雰囲気が滲み出てるとともに、稲葉の知性も光ってきます。
この曲のミュージックビデオは、派手なシャツを着た稲葉と松本がニューヨーク・シティのど真ん中で腰をグワングワン振り回すというパフォーマンスを見せつけてくる内容なので、一見の価値ありです。
ツッコミどころが多すぎる。
4. EASY COME, EASY GO! ーRISKY STYLEー 2 / 5 点
シングル曲のバージョン違いですが、僕にはどこがどう違うのやらわかりません。B’zマニア失格です。
個人的にはあまりハマれない曲なので、この点数。でも、前曲と次曲との橋渡しという役割には成功してるかも。
5. 愛しい人よGood Night… 5 / 5 点
今回の王道バラード枠。まごうことない純愛曲(でもこれ、主人公のほうは途中で過ちを犯しちゃってますね。こんなところにも稲葉のダメさ加減が表に出てます)。
非常にライブ映えする曲なので、ぜひともライブ映像を見ましょう。どうせようつべとかにあるやろ。
6. HOLY NIGHTにくちづけを 3 / 5 点
クリスマスソング。B’zのクリスマスソングといえばアチラのほうなので、やたらと影が薄いです。
あの曲とは違って、こっちはアップテンポ。「自己嫌悪も今のうちに」という歌詞がお気に入りです。
7. VAMPIRE WOMAN 5 / 5 点
魅力的な女性を吸血鬼に見立てた歌、って曲名見ただけでわかりますね。
合間合間に挟まれる絶妙にダサいかけ合い、「一男去ってまた一男」、「百聞は一夜に如かず」、「アオーン」などなどのサムい歌詞。全てが好きです。
8. 確かなものは闇の中 4 / 5 点
一転してシリアスな不倫曲。稲葉の低音ボイスが際立っていて艶やかです(今の稲葉にこの歌い方できるのでしょうか?)。
「黒髪の香りに 自分の弱さ見透かされているようで」、「いっそ二人で 何処かに消えてしまいたい そして何も変わらない」といった歌詞から何ともいえない諦念がヒタヒタと伝わってきます。
9. FRIDAY MIDNIGHT BLUE 5 / 5 点
芸術家を目指すタクシードライバーが主人公というぶっ飛んだ曲ですが、歌詞はダメ人間の心の臓に黒ひげ危機一発かのごとくグッサグッサと突き刺さります。
長いですが、B’zの中でもとくに好きな歌詞を載せます。
風のように生きていたいだけ レースをしたいわけじゃないから
なまけものと 他人にいわれても 反省できないのさ
流れる川の中で がむしゃらになって
石ころにしがみつく気にもなれない
この曲を初めて聴いたとき、稲葉の本性を垣間見た気がしました。こうした鬱屈した暗さは稲葉ソロ、とくに1stアルバム『マグマ』で思う存分味わえます。
10. It’s Raining… 3 / 5 点
なぜか間奏が日本語と英語の電話という曲。でも悪くはなく、しんみりできます。
総評 : 5 / 5 点
「急に採点甘くなりすぎとちゃうの?」って突っ込まれそうですが、B’zはホントにこのアルバムから10年間ぐらいに渡る流れが神がかってるんですって。