勝手にレビュー2 : B'zの2ndアルバム『OFF THE LOCK』

今作から、稲葉の作詞能力と松本のメロディセンスが爆発していきます。

B’z『OFF THE LOCK』1989年5月21日


1. 君の中で踊りたい 3 / 5 点

前作とは打って変わってやたらとキャッチーなメロディに稲葉のイケイケな歌詞がのることでアゲアゲな一品となっております。サビもかなり耳に馴染んできます。後に2ndミニアルバムでリメイク。
そういえば9年ぐらい前にニコニコかようつべに、この曲の流出ライブ映像がありましたが、もうないでしょうね。
と思ったらありました。↓

そのうち消されるでしょうが、たぶんまた再うpされるでしょう。
最後の「ドーモアリガトー」は何回聞いても爆笑できます。


2. HURRY UP! 2 / 5 点

B’zの中では非常に珍しい、友人の恋を応援するという内容の歌詞。
バックの演奏があまり派手じゃないので盛り上がりに欠けるのが残念なところです。


3. NEVER LET YOU GO 3 / 5 点

不倫をテーマとした重いバラード。これは名曲でしょう!と言いたいのですが、稲葉のまだまだ硬い声質がここにきて足を引っ張ってしまっており、少し評価を落とす要因となっています。
後に『パール盤』でリメイクされましたが、そちらのほうは文句なしの名曲です。


4. SAFETY LOVE 4 / 5 点

二股をかけられている男が主人公の歌。稲葉特有の、やたらと情けないダメ男が登場する楽曲の草分け的存在です。
お気に入りの歌詞は「我がまま娘してなさい」、「そのうちそばにいてやんない」。泣ける。泣けてきます。稲葉は超人的なスペックを誇るくせに、非モテの心情に対する洞察力が非常に鋭いので、僕のような人種なんかはズッキュンしてしまうというわけです。


5. GUITAR KIDS RHAPSODY 3 / 5 点

曲名からもわかるとおり、ギター少年が夢を語る歌です。こういった曲が、当時の若者を奮い立たせていたのでしょう。今の時代に聴いても爽やかな気分になれます。


6. 夜にふられても 5 / 5 点

疾走感のあるメロディと切ない歌詞とのギャップが哀愁を醸し出し、涙腺を最高に刺激してきます。
B’zにはちょくちょく出てくる、「車を運転してなんやかんやする」というのを物語背景にした楽曲群の草分け的存在。
個人的には今作のハイライトです。


7. LOVING ALL NIGHT 2 / 5 点

リアルの充実している人達が発情しそうな曲。非モテの僕にはこういうのはキツいです。
それを抜きにしても、6曲目の余韻をぶち壊しにするチャラチャラした曲なのでアルバムからオミットしても良かったのでは・・・?と思うのですが、どうなんすかね。
後に3rdミニアルバムでリメイク。


8. OH!GIRL 4 / 5 点

B’zでは毎回恒例の、夏真っ盛りな曲のルーツ。現在のライブでも頻繁に使われる品目ですな。
後に『パール盤』でリメイクされましたが、そちらのほうが名曲です。


9. ROSY 4 / 5 点

歌詞から推測するに、失恋あるいは遠距離恋愛(もしくは遠距離からの失恋というミックスコンボ)がテーマなのでしょうか?
とにかく哀愁が炸裂する作品。バブル期前後のアニメのEDにばっちり似合う曲、なんて書いたら雰囲気ぶち壊しですかね。


10. OFF THE LOCK 1 / 5 点

1分半にも満たない曲です。これを聞き終わると、なんだか急に現実世界に突き飛ばされたかのような虚無感に襲われます。


総評 : 3 / 5 点

前作から飛躍的な進化を遂げたアルバムです。特に目立つのが稲葉の作詞能力で、まだ少し硬い声質との相乗効果により、非常に青臭く、切ない曲作りに成功しています。
ただ、当時の稲葉は作詞にとてつもなく苦労し、後になって「現場から何度も逃げ出したかった」と語っているというのは、B’zマニアの間では基本的教養ですな。